コラム

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13.高齢化社会について 

 数日前まで、読売新聞に短期連載されていた「高齢者虐待」を読んでショックを受けた。2000年に成立した介護保険制度による訪問介護で、高齢者の虐待の実態が明らかになってきたとのこと。そして介護する者も、50歳後半から60歳代の子供で、その人たちが虐待を行っている例が多いようだった。記事によれば、群馬県の高齢者政策課の担当者が「近所にいじめられている年寄りがたくさんいる」という投書がきっかけで調査をしたところ、介護保険が始まってからの虐待事例が425件あることが分かった。
 日本の高齢化は確実に進行している。この間発表された平均寿命は、男性78.07歳、女性84.93歳、昨年と比べると、男性0.35歳、女性0.33歳延びている。実は、平均寿命は0歳の人の平均余命を平均寿命といっているのであって、現在の私が後何年生きられるかと、単純に引き算をしているが本当は違う。しかし2歳未満の違いであるので、そう間違っていないと考えてよいであろう。
 先月の中旬に、NHKが12年前に放映したしたドキュメンタリー番組を再放映した中に、痴ほうになった妻の介護に疲れて心中をした老夫婦が、どうして心中に至ったかを追った内容の作品があった。そこには行政の法律上の限界があって、十分な対応ができない実態が浮かび上がってきた。
 このような変遷を経て、介護保険制度が成立したのだが、実態は12年前とあまり変わらないように思われてならない。さらに言えば保険料が高すぎると思う。
 高齢化には痴ほうの問題があって、介護する者の精神的苦痛は察するに余り有るものがある。
 昭和47年に有吉佐和子が出版した『恍惚の人』を読んだときは、大変なショックを受けた。社会的にも痴ほうの問題が注目された。発表したその当時とは雲泥の差で、立法も行政も真剣に取り組み始めたということが、救いといえば救いであろう。

2003年8月16日