1.八重桜よガンバレ!
我が家のささやかな庭に、幹が30センチ以上ある八重桜がある。本来こんな大きな木があること自体考えられないが、樹齢は40数年というところか。この木に対しては、私には特別な思入れがある。私が就職したとき、職場から記念樹として貰ったものである。都内の桜(ソメイヨシノ)が散って、一週間から十日後に咲くこの八重桜は、それは見事で近所の人々からほめたたえられてきた。ただ、散った花びらや秋の紅葉の時は後始末は大変だけれども。
とにかく私とともに成長をとげて、私の生き様を見守ってきた木である。その八重桜が二年程前からなんとなく勢いがなくなってきたのである。植木屋から先端がかなり枯れているといわれた。昔から桜切るバカ、梅切らぬバカといわれているが、桜が道路や電線を覆うのを防ぐため、枝おろしをしたときに切り口を消毒しなかったのが原因とのこと。どこで枯れるのを食い止められるか。
『死に花を咲かせる』という言葉があるように、今までに見たこともないようなすばらしい咲き方をしたら、要注意ともいわれた。なにか自分のことを言われているような気がして、この桜がいとしくて仕方ない。普通は八十年くらい寿命があるそうだ。
私も最近健康を気にして、体には十分気を付けている。私の分身なのだ。私もがんばるから、八重桜よ、おまえもガンバレ!